χ(カイ)です
医療従事者として病院に勤務しながら研究を行っています
研究初心者がわかりやすいと思ってもらえるような内容のブログを書いています
臨床に身を置いている医療従事者がはじめに行うことが多い症例検討についてまとめました
ここでは、
症例研究ってどうすればいいの?
症例研究と症例検討って一緒なの?
先輩に症例検討しなよって言われたけど、どうしたらいいの?
これは私も当時良く思いました
簡単そうに見えて、実はどうすれば良いかの答えがないんですね
さらに先輩もそんなにわかってないという・・・(笑)
それではまとめます
症例研究とは
症例研究とは、
担当した患者に関して難渋した点、工夫した点などをテーマとして、実際の経過の中で実際に行ったことを記述し、考察すること
難渋した症例は論文などの内容にあてはまらないことが多く、
「なぜそうなったか?」
「論文にはこう書いてあるけど、この部分は違う」
など詳細に考察していく過程が重要です
症例研究の種類
症例研究には、ケースレポート、ケーススタディ、ケースシリーズスタディ、シングルケース法があります
●ケースレポート(症例報告):評価や治療過程を示すもの、カンファレンスや報告など
●ケーススタディ(症例研究):ケースレポートに先行研究との比較や考察を加えたもの、学会や学術誌などの発表
●ケースシリーズスタディ:3例以上の症例によるケースレポートorケーススタディ
●シングルケース法(一事例実験法):ベースライン、介入期を設定し介入の効果を検証するもの、準実験的研究
症例研究を行う意義とは
症例研究を行う意義とは、
•新しい臨床的アイデアを発見し、その後のRCTなどの研究につながる探索的な要素がある(RCTは新しいアイデア発見には不向き)
•探索的な研究に強みをもつ症例研究は
新たなエビデンスとなり得る介入を発見する可能性がある
•エビデンスを検証する最新の場
症例研究のエビデンス
症例研究にはエビデンスがあるのでしょうか
下の表は、研究のエビデンスレベルを示したものになります
表のように症例研究のエビデンスレベルは高いわけではないのが現状です
単一症例についての研究のため、エビデンスレベルとしては低くみられます
しかし、他の研究と比較し症例研究の方が重要視される場合もあります
研究を行う際に行う統計処理は95%信頼区間(100人中95人にはあてはまる)で行うため、すべての症例に適応できる結果ではないからです
まとめ
リハビリテーションの業界では、症例研究は若手が行うものみたいな風潮があります
しかし、そのことは間違っており、若手からベテランまで行う必要があるものです
そして、難渋した症例を何例か経験し、
症例研究を積み重ねていくなかで新たな疑問点がみつかります
これが新たな研究を生む土台となることもあるのです
こんな感じです
以上!