私の職業である理学療法士は1単位20分という時間で日々の仕事のノルマがある仕事です。
1週間あたりの上限が設定されており(108単位)、週5日働くとなると1日の上限は20単位です。しかし、対象者1人に対してマンツーマンが基本のため、8時間労働の場合、18単位が妥当な数値です。
私の職場では1日に18単位取得を目標に掲げられています。
対象者が多ければ良いのですが、現状では対象者の数は減少中です。
そのため、今は対象者に対して私達の職種の人数が過多のため、1人の対象者に多くの時間をかけて単位数を増やしています。
私はこれがなかなか納得できません。
リハビリ時間をかければかけただけ良くなるわけでなく、適切な評価から適切な介入内容を行うことが対象者の改善を示していることを経験的に感じ、論文などのエビデンスとしても示されていません。
ということは、対象者が減少したのにノルマである18単位を取得するには、1人あたりの時間を増やすしかないのです。
そもそも仕組みがおかしくないか
そもそも介入したことを内容よりも時間で換算されていることに昔から憤りを感じています。
他の職種であれば、時間ではなく、行為に対してです。
この仕組みを変えない限り、私はこの業界の未来は明るくないと感じます。
私の勤める病院では、私達の介入による収益は1人の対象者の売り上げの1%に満たない状況です。
単位の取得を目標に掲げるよりも、病院の収益の大きな部分に関わることの方が意味があるのではないかと考えています。
私が考える仕組み
まずは時間で動くのではなく、行為として換算できるようにする。
関節可動域運動、座位練習、歩行練習など、これに対して点数がつけれると良いのかなと。
他にも、私達の職種は私達の介入のみが効果を示すわけではないのです。
特にチームとしての働きが重要です。そういう意味では、チームとして働くことをもっと評価してもらえるようにしたいです。
例えば、チームとして情報提供することで、対象者のADLが向上しやすくなり、在院日数を減少できたなどの結果が出れば、時間をかけたから良いのではないということを証明できるのではないかと。
水増し請求と言われないために
私は大きな組織にいるので、単位数が取れているかどうかを全国規模で比較されてしまいます。
その仕組みの中で給料を得ているから、現時点では仕方がないことではありますが…
しかし、専門家として責任を持って、対象者が身体的にも精神的にも変化があるように引き続き努めていきます。
ただ、内容を薄くして時間を延長させる行為は許されないと思います。